何十年も前の日本では、犬や猫の寿命は短くて介護をする間もなくあっという間に亡くなってしまうことのほうが多かったですね。
動物医療も日に日に進歩してきて、今では20年近く生きるワンちゃんもいます。
犬も猫も家族の一員として迎えているので、病気になったから、年を取って動けなくなったから、世話がかかるからと言って放り出すわけにはいきません、大切な家族なのですから。
しかし、介護となると人を介護するのと同様に家族の負担はとても大きなものになります。
我が家でもシニア犬になった14歳のコーギーえいきちくんが後ろ足を引きずるようになりお尻を引きずって移動しはじめ、いよいよ本格的な介護を意識する時になりました。
介護は休みがなく、がんばって介護をしてもよくなることはなく症状が悪化したりと、精神的にも肉体的にも日々疲れを溜め精神的にも追い込まれたりします。
どんなに大切な愛犬でもお世話が辛くて飼い主である自分も体調を崩してしまうかもしれません。
疲れた、と思った時どのようにしたらよいのでしょうか?
ままさん、ぼくちんの世話いやなのかな
まかしとき!!えいきちくんのためならがんばるよ~
老犬介護、寝たきりになってしまった まずは飼い主の健康が大切
介護するときの飼い主の体の負担をできるだけ軽くして疲れる度合いを減らすこと
これが一番大切なことです!!
飼い主が体を壊してしまっては愛犬の介護はできません。
それが一番お互いのために不幸です。
そのため飼い主が健康を保つことが大切です。
もしも愛犬が寝たきりになってしまったら??
小型犬だと持ち上げたり抱き上げたりは体重が軽いので負担にはならないですが、中型犬・大型犬となるとペットカートに載せたり、起こすのに抱き上げたりするとき足腰や腕に負担がかかりますよね。
小型犬でも低い位置から持ち上げるので知らず知らずのうちに足腰に負担がかかっています。
そして毎日何度かその動作があると、数日で腰を痛めます。
人の介護をするときに体を支えることでかかる負担を抑えるためにボディメカニクスという方法があります。
これはペットの介護や育児でも応用できることです。
「ボディメカニクス」とは、最小限の労力で安定した姿勢で要介護者(介助される方)を支える、移乗・移動の介護技術です。介護のさまざまな場面で「ボディメカニクス」を取り入れると、腰痛など体への負担が軽減すると言われています。
ボディメカニクス
★支持基底面積(体重を支える為に必要な床面積)を広くする
両脚を開いて前後左右に対角線にして大きく開く。
それにより安定感を保つことができる。
これは確実に腰への負担を軽減してくれます。
★移動させる前にワンちゃんと自分の重心を近づける
重たい物を持ち上げるとき、自分のほうに近づけてから持ち上げるのと同様に自分の体をワンちゃんに近づけると動かしやすくなります。
これによって移動の負担も軽減されます。
★腰と肩を平行に保ち体をねじらない
腰だけを回して動作をおこすのでなく腰と肩を平行に保ちながら腰・脚・背中など全身の大きな筋肉を一緒に使うと一部分への負担を減らすことができます。腰だけを回して一部の筋肉を使うだけだと必ず腰痛になります。
★体を小さくまとめるようにする
人であれば介護される側の人に腕や膝をを曲げてもらったりして身体をちいさくまとめてもらうと介助もより楽になります。
ワンちゃんの場合は人間ほど膝を曲げてもらうというのはできないと思いますが、頭に入れて動作を行うようにすると幾分か介助が楽になるのではないでしょうか。
★押して動かすのではなく引いて動かす
移動させるとき押し出すようにするのはNGです。
自分の体に引き寄せるようにして移動させると力が分散せずに1点に集中します。
それによってお互いの負担が小さくなります。
寝ている向きを変える時もワンちゃんの背中を軸に回して返してはいけません。
体を近づけ抱き寄せ抱き上げて向きを変えましょう。
★テコの原理を意識する
支点(支える部分)、力点(力をいれる部分)、作用点(力を生み出す部分)を理解する。
常にこの原理を意識して動作する。
文章で読むだけでは実際の動作を行うとそう簡単に取得できないでしょうが、常にこれを意識して動くと腰痛で動けなくなった!ということは少なくなります。
腰痛がひどくなると、お世話ができなくなりますので是非ボディメカニクスを意識して取り入れてみてください。
ちなみに私は腰痛ベルトを愛用しています。
これをしていると腰の痛みがだいぶ軽減されます。
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えいきちくんをペットカートに載せたり降ろしたりするから、ままも腰が痛いの。ボディメカニクス意識しないとなぁ
まま、毎日カートに載せてお散歩連れて行ってくれてありがとうワン
家事は極力手抜きする(少々手抜きして家が汚れても命に別状はありません)
当たり前のことですがこんなことが重要でとにかく手抜きをすることです!
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犬の介護の用品をできるだけ取り入れること、おむつのススメ
人の介護用品と同様、今はネットのサイトでも通販などのカタログでもたくさんの介護用品がありますね。
どれもあれば大変便利ですが、全部そろえていたらお金がいくらあっても足りないです。
後ろ足が立てなくてお尻をついたまま移動をしている我が家のコーギーえいきちのために
現在使用しているものをピックアップしました。
パネルカーペット
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【今後必要なグッズ】
流動食になった時 ミルサーやミキサー、ペットシリンジ
食が細くなった時 ドライフードメーカー
完全に後ろ足マヒになった時 犬用車椅子
車に乗せるとき 車用スロープ
完全に寝たきりになった時 床ずれ防止クッション
認知症になった時 簡易サークル
排泄ケアのために お尻を洗う洗い桶
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特に排泄の工夫、これが一番重要です。
多くの人が部屋を排泄物で汚されると、意外と精神的にダメージを受けてしまったりするのです。
度々の粗相を繰り変えるようになって排せつのことで心の負担が大きくなったら、躊躇なくおむつを使用しましょう。赤ちゃんのおむつがペット用に比べて安いので、しっぽのところに穴をあけて使えばよいです。
これだけで心の負担がだいぶ軽くなります。
こちらのペットカートはとてもじょうぶです。
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老犬ブログやSNSをみて介護する仲間の存在を共有する
インスタグラムやツイッター、そしてブログなど今は同じ境遇を共有できる手段がたくさんありますね。
この投稿をInstagramで見る
#老犬との暮らし
#老犬介護
#シニア犬との暮らし
#老犬介護の知恵
などなど
皆さんの投稿を観ていると参考になるお知恵や、あるある!!って共有できること盛りだくさんです!
人の介護の問題として、「介護うつ」とか「介護ノイローゼ」とか精神的にダメージを受けて一人で悩んで孤立するということが多く取り上げられています。
人であろうとペットであろうと介護のときは、自分以外の誰かの存在を感じることが一番の安心感です。
心の健康が介護を頑張れる一番の源です。
いろんな方の投稿をみて元気をもらいましょう。
ペットシッターの利用・どうしようもないときは老犬ホームも視野にいれる
介護がつらいと思う理由 それは
介護者が全部ひとりで責任を抱えているということ、それに尽きるのではないでしょうか。
よく誰かに相談して精神的負担を減らしなさいとか、公的サービスを使って相談しなさいとか周りの人は簡単に言います。
でも、実際にその立場になったら、身体は肉体的に疲れていて相談する元気もなくなっている場合が多いから話をすることもできなくなっていたり、実は悪循環が起こっているのです。その結果、気づいたら取り返しのつかない状態になっていた、ということです。
家族の介護を過去と現在もやっている身として一番に思うことは、言葉より手が欲しいということなのです。
ペットを介護する飼い主さんたちは、環境や家族構成もそれぞれ違うことでしょう。
家族の手がたくさんある方は、皆で協力し合い当番制などにして一人にかかる負担をできるだけ減らすことが最優先ですね。
では家族の手が一つしかない人はどうしたらよいのでしょうか?
我が家はまさにその状態で、三人の障害者と介護がまさに必要な老犬1匹、そして元気なワンコもう一匹です。
完全に手が足りない状態、、
あがいても絶対に一人でやることはできないしそれを完璧にやろうとしたら、いつかきっと苦しくてどうしようもない状態になってしまうかもしれません。
ということで、とにかく周りの力をできるだけ借りるように、自分ができるだけ楽ができるようにする方法を常に考えるようにしています。
家族がいなければご近所の方、友人、恥ずかしいとか遠慮とかいう気持ちもありますが、それより今は頼れる人は頼るということです。
では周りに頼れる知人友人もいないという方は?
老犬介護士(動物介護士)やペットシッターなどを利用するという方法もあります。
※動物介護士について
関連記事 動物介護士とは?
たとえばお散歩がつらい時は犬友さんや経済的にできる範囲でのペットシッターの力を借りる
どうしても環境が介護を許さない事態になってしまったら、最終的には老犬ホームという選択も視野に入れるということです。
もちろん飼い主さんがずっと面倒を看てあげることがワンちゃんにとっての最大の幸せですが、飼い主さんが一人でどうにもできない状態に陥るのであれば上記のような選択も決して「悪」ではないということを覚えておきましょう。
まとめ
大切な愛犬の介護はできるだけのことをしてあげたいと飼い主は当然考えます。
ですが、これでは足りないのではないかとか もっとやってあげられるのではないかとか
自分を責める気持ちは捨てましょう。
自分はよくやっていると褒めましょう。
そしてできるだけラクをする工夫をして心と体力に余裕を作って笑顔で過ごしたら、介護されているワンちゃんも飼い主さんが笑っている笑顔で嬉しくなります。
何よりも大切なのは、大好きな飼い主さんが笑顔でいることですね。
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